今回ご紹介するのは、椅子に座ったままでできる足首の運動です。
足首を上下に大きく動かすシンプルな運動ですが、歩くときにつま先を持ち上げたり、地面を蹴り出したりするために必要な筋肉を動かすことができます。
立った状態での運動に不安がある方でも取り組みやすく、ご自宅での自主トレや高齢者施設での体操にもおすすめです。
印刷して使える自主トレプリントとして、ぜひご活用ください。

足首の運動はなぜ大切?
歩いているとき、足首は常に細かく動いています。
特に、足を前へ振り出すときにはつま先を上げ、地面を蹴るときには足首を下へ動かします。
足首の動きが小さくなったり、つま先を持ち上げる力が低下したりすると、歩行中につま先が床に引っかかりやすくなることがあります。
そのため、日頃から足首を動かすことは、歩行機能を保つための運動のひとつになります。
また、足首を繰り返し動かすことで、ふくらはぎ周囲の筋肉も働くため、長時間座っている方の足の運動としても取り入れやすい方法です。
足首の運動で使う筋肉
この運動では、主に足首の前後にある筋肉を使います。
代表的なのは、
- 前脛骨筋
- 腓腹筋
- ヒラメ筋
などです。
前脛骨筋
前脛骨筋は、すねの前側にある筋肉です。
足首を反らして、つま先を上へ持ち上げる動きに働きます。
歩行中につま先が地面に引っかからないようにするためにも重要な筋肉です。
腓腹筋・ヒラメ筋
腓腹筋とヒラメ筋は、ふくらはぎにある筋肉です。
つま先を床の方向へ向ける動きや、歩くときに地面を蹴り出す動作に関わります。
足首の運動のやり方
1.椅子に浅く座ります
まず、安定した椅子に浅めに腰かけます。
背筋を無理のない範囲で伸ばし、両足を床につけます。
キャスター付きの椅子など、動きやすい椅子は避けましょう。
2.つま先をゆっくり持ち上げます
かかとは床につけたまま、つま先をゆっくり上へ持ち上げます。
すねの方向へつま先を近づけるようなイメージで行います。
反動をつけず、できる範囲で大きく動かしましょう。
3.つま先をゆっくり下げます
次につま先をゆっくり下げ、足首を床の方向へ動かします。
このときも勢いをつけず、足首の動きを意識しながら行います。
上げる・下げる動作をゆっくり繰り返しましょう。
回数の目安
左右一緒に10~20回を1~3セット程度を目安に行います。
無理に回数をこなす必要はありません。
最初は10回程度から始め、疲れや痛みがないかを確認しながら調整しましょう。
頻度の目安
体調に問題がなければ、1日1~2回程度を目安に取り入れます。
テレビを見ながら行ったり、長時間座ったあとに足首を動かしたりするなど、日常生活の中に取り入れるのもおすすめです。
足首運動を行うときのポイント
足首を大きくゆっくり動かす
小さく速く動かすのではなく、できる範囲で足首を大きく動かしましょう。
つま先を上げるときはすねの方向へ、下げるときは床の方向へ動かします。
反動を使わない
勢いをつけず、筋肉を使ってゆっくり動かすことがポイントです。
良い姿勢で行う
背中を大きく丸めず、できる範囲で背筋を伸ばして行います。
ただし、無理に姿勢を正そうとして身体に力が入りすぎないようにしましょう。
呼吸を止めない
運動中は自然に呼吸を続けます。
力を入れるときに息を止めないように注意しましょう。
この運動はこんな方におすすめです
足首の運動は、特に次のような方が取り入れやすい自主トレです。
- 最近つまずくことが増えた方
- 足首を動かす機会が少ない方
- 長時間座っていることが多い方
- 立った状態での運動が不安な方
- 歩行機能を維持したい方
- 自宅で簡単にできる運動を探している方
- 高齢者向けの椅子体操を探している方
椅子に座ってできるため、比較的取り組みやすいのも特徴です。
むくみが気になる方の運動にも
足首を上下に動かすと、ふくらはぎの筋肉も繰り返し収縮します。
そのため、座っている時間が長い方が足を動かす方法のひとつとして活用できます。
ただし、急に片足だけが強く腫れた場合や、痛み・熱感・息苦しさなどを伴う場合は、運動を続けず医療機関へ相談してください。
むくみの原因によっては運動が適さない場合もあります。
安全に行うための注意点
足首の運動は比較的簡単ですが、安全に行うために次の点に注意してください。
痛みが出る場合は無理に足首を動かさず、運動を中止しましょう。
足首の動く範囲には個人差があるため、他の人と比べる必要はありません。
また、転倒を防ぐため、安定した椅子を使用してください。
足首の骨折後や手術後、強い痛みや腫れがある方、医師から運動制限を受けている方は、自己判断で行わず、医師や理学療法士などに相談してください。
自主トレプリントとしてご活用ください
今回のプリントでは、
運動方法・使う筋肉・ポイント・注意点・回数・頻度
を1枚にまとめています。
ご自宅での自主トレだけでなく、
- 病院での退院指導
- デイサービス
- 通所リハビリ
- 高齢者施設
- 訪問リハビリ
- 地域の介護予防教室
などでも活用できます。
運動方法を口頭だけで説明するよりも、イラスト付きのプリントを一緒に渡すことで、自宅に帰ったあとも運動内容を確認しやすくなります。
まとめ
椅子に座って行う足首の運動は、特別な道具を使わずに簡単に取り組める自主トレです。
つま先をゆっくり上げ下げすることで、すねやふくらはぎの筋肉を動かし、歩行時のつまずき予防や歩行機能の維持につながる運動として活用できます。
特に高齢者の方や、立って運動することに不安がある方にも取り入れやすい運動です。
無理に大きく動かしたり、決められた回数を行ったりする必要はありません。体調に合わせて、安全な範囲で継続してみてください。
※このプリントは一般的な運動方法を紹介するものです。身体の状態によって適切な運動方法や回数は異なります。痛みや持病、運動制限のある方は、医師や理学療法士などの専門職にご相談ください。